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証明と疎明の違いとは?法律用語としては重要な意味があります

法律に関係する言葉
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「証明」と「疎明」という用語は一般的にも使われますが、法律の分野では特に重要な意味を持ちます。

特に「疎明」は日常ではあまり聞かないため、その意味がわかりにくいことも多いでしょう。

この記事では、これらの用語が法律上どのように異なるのかを詳しく解説しています。

法律上の証明と疎明の違いは?

法律上の「証明」と「疎明」には次のような違いがあります。

  • 証明:事実の真実性を確定的に立証する
  • 疎明:事実の存在可能性を示す

まず、「証明」は法的な主張や事実が真実であることを確定的に立証する行為です。

一方、「疎明」は主張された事実が存在する可能性を示すことに焦点を当てており、証明に必要な証拠の程度よりも低い水準での証拠で足りるとされています。

証明は判決に直接影響を与えますが、疎明はあくまで事実関係の理解を深めるために用いられることが多いです。

ただし、特定の法律分野や手続きにおいて、疎明が判決に影響を及ぼすケースもあります。

証明の意味とは?

続いて、法律用語の「証明」について説明します。

証明とは、裁判において事実を明らかにするための重要なプロセスです。

具体的には、裁判官が提出された証拠をもとに、合理的な疑いを挟むことなく事実について確信を持てる状態に達する活動のことを指します。

これには、証人の証言、物的証拠、書類などが含まれます。

もう少し具体的に言うと、裁判の当事者や証人が提出した証拠に基づき、裁判官が事実認定においてほぼ確実性を感じる状態にすることです。

しかし、裁判官が事実を100%確信することは、現実的には難しいです。

裁判官は直接現場を目撃するわけではないため、完全な確信を持つことはまず不可能ですよね。

そのため、合理的な疑いを超える確信が求められるとされているわけです。

また、証明の場合、100%は無理だとして、裁判官の確信の程度は80%から90%ぐらいと言われることがあります。

このパーセンテージは裁判官がどれだけ証拠に基づいて事実を確信しているかの目安として用いられることがありますが、これは厳密な数値ではなく、一般的な理解を助けるための表現です。

法的な文脈では、証明の要件やプロセスの厳しさ、そして必要とされる証拠の質や量に焦点が当てられます。

なので、確信の度合いを具体的なパーセンテージで表すことは一般的ではありません。

とはいえ、裁判官の確信度が80%~90%程度であるという表現は、法的な証明の難しさや不確実性を理解する上で、分かりやすい方法と言えるかと思います。

疎明の意味とは?

次に「疎明」について説明します。

疎明は「そめい」と読むのが普通です。

法律用語ではなく、一般的な意味で日常会話や非公式の文脈で用いるときは「りょめい」と読むこともありますが、最近はほとんど聞かないですね。

まず、一般的な用語としての「疎明」の意味は、何かをはっきりと説明したり、釈明したりすることを指します。

誤解を解消するために詳細を述べる、または自らの行動や意見について言い訳や正当化を行う際に使われることがあります。

例えば、何かの行動に対する動機や理由を明確にする場合や、誤解を招いた事柄について説明を加え、正しい理解を求めるような状況で使用されます。

事情を開示することにより、他者に対して状況を明らかにし、理解を深めてもらうことを目的としています。

一方で、法律上の「疎明」の意味は少し違ってきます。

「疎明」という法律用語は、裁判上での証明よりも軽い証拠基準を要求します。

具体的には、疎明では裁判官が事実の存在について「おおよそ確かだ」と感じる程度の確信を得るために必要な証拠を提出します。

この確信の程度は完全な証明が要求するほぼ確実な証拠と比較して、50%程度と言われることがあります。

ただし、裁判官の確信度をパーセンテージで示すことは、証明と同じく一般的ではありません。

ですが、法的な証明はほぼ確実な証拠が求められるのに対し、疎明は比較的低い確信度で事実関係の理解を深めるために用いられるという点を考えると、50%程度というのはうまく表現されているかなとは思います。

法的な証明では厳格な証拠が求められるのに対し、疎明はそのような完全な確信には至らなくても、事実関係の理解を深めるために十分な手段となることがあります。

この点を考えると、証拠の質や量についての要求が低いため、迅速な手続きが必要な場面で特に有効です。

たとえば、予備的な措置や仮差押え、仮処分などの保全手続き、また破産手続きなどが例としてあげられます。

完全な証明に到達する前の段階として疎明が求められることがあり、事実を完全に証明するまでの証拠が集まっていない初期段階では、疎明によって一定の事実関係が認められることもあります。

まとめ

法律上の証明と疎明には、以上のような違いがあります。

簡単に言えば、確信の度合いが違うということです。

この確信の状態をパーセンテージで表すこともありますが、一般的な表現ではないものの、イメージしやすいものではありますね。

そして、確信の程度の違いによって、証明と疎明では役割が異なるという点も押さえておきましょう。

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