郵便物を受け取ったとき、「親展」と書かれた封筒を目にすることがあると思います。
親展というのは、重要な文書を送るときに使われ、基本的に名宛人だけが開封することができます。
そのため、関係のない他人が勝手に開けるのは、とても失礼なことです。
というより、名宛人以外の人が開封してしまうと、実はとんでもない問題を引き起こす可能性があります。
大げさに聞こえるかもしれませんが、シャレにならないことがあるので、親展の意味をしっかり理解しておく必要があります。
この記事では、親展の意味と、他人が開けてしまった場合どうなるのか？について、詳しく説明しています。
親展とは？
まず、親展とはどういう意味を持つのかを確認しておきましょう。
親展とは、特定の受取人のみが、直接手紙の封を開けて読むことを望む際に使われます。
特に、手紙の内容が受取人にのみ開示されるべき重要な情報を含んでいる場合に用いられる表現です。
例えば、請求書や医療診断書のような個人のプライバシーに関連する情報や、評価や査定に必要な調査報告書などが含まれることが多いです。
これらは他人には見せたくない、秘匿性の高い情報と言えますね。
そのため、この種の手紙は、中身が外から見えないような封筒に入れられ、「親展」という言葉と共に内容に関する簡単な説明が封筒に記載されるのが一般的です。
また、封印は他人が開封していないことを確認できるように工夫されており、「〆」や「締」などの封印文字が使われたり、開封すると痕跡が残るシールが使用されることもあります。
このような手紙は、個人情報や機密情報を含むため、名宛人以外は開封されるべきではありません。
親展の封筒を名宛人以外が開けることは、道義的な問題を引き起こす可能性があります。
また、後述するように、信書開封罪として法的な問題に発展することもあるため、特に注意が必要です。
親展の手紙は、その内容の重要性と機密性を考慮して、受取人にのみ開封してもらうための特別な配慮がされています。
これにより、個人情報の保護や機密情報の安全な取り扱いが確保されるというわけです。
親展の手紙を受け取った際は、その特別な性質を理解し、適切に扱うことが大切になります。
親展の封書を開けてしまったらどうなる？
さて、ここからが特に気になるお話となります。
もし、他人宛の親展封筒を開封してしまうとどうなるのでしょうか？
実は、親展の封筒を正当な理由なく開封してしまうと、刑法第133条に基づく「信書開封罪」に該当する可能性があります。
信書開封罪は、最大で1年以下の懲役または20万円以下の罰金という刑罰が科されます。
さらに、注意すべきなのは、封筒の中身を見るかどうかに関わらず、封を開ける行為自体が信書開封罪に該当するという点です。
そのため、他人宛の封筒を開ける際には、特に注意が必要です。
ただし、例外として正当な理由がある場合はこの限りではありません。
例えば、子供宛の封筒を親が開けたり、受取人が重病で意識がないという緊急事態のときなどが考えられます。
また、信書開封罪は親告罪であるため、宛名の本人からの告訴がなければ罪に問われることは通常はありません。
とはいえ、刑事罰という性質を考えると、正当な理由がない場合に、他人宛ての親展の封書を開けるのは避けるべきでしょう。
万が一、誤って封筒を開封してしまった場合は、宛名の本人に正直に事情を説明し、謝罪することが大切です。
まあ、これは当然の礼儀ですね。
さらに、自宅の郵便受けに誤って届けられた他人宛の封筒を開封してしまった際には、自分の連絡先を明記し、「間違って届けられたために開封してしまった」という事実を書いて、再び郵便ポストに戻すのが適切な対処法です。
これにより、誤配された郵便物が正しい宛先に届けられるようにすることができます。
ともかくも、「親展」と記載された他人宛ての封書は、開けないこと！
たとえ、宛名が家族であっても、親族だとしても、開封してしまうと罪にとわれることがあるので、取り扱いには十分に注意しましょう！
親展用封筒はどこで入手できる？
続いて、親展用の封筒を手に入れるにはどうしたらよいのかについて説明します。
これに関しては、実は特別な封筒を用意する必要はありません。
親展とは、単に「受取人本人が開封してほしい」という意向を示すもので、追加の費用が発生するわけではないんです。
重要なのは、封筒に目立つように「親展」と明記することです。
「親展」と表記するときは、特定のルールは存在せず、手書きでも構いません。
ですが、より効率的に処理するためには、様々な親展用のスタンプが一般的な事務用品店で販売されているので、これらを使うと便利だと思います。
最近は、ネット通販でも取り扱いがあるので、探してみるのもアリです。
特にビジネス文書の場合は、手書きよりもスタンプを使用するのが望ましいでしょう。
親展の表記は赤色であることが多いですが、これは目立ちやすいためです。
また、親展の表記方法については、封筒の形式に合わせるのが一般的です。
すなわち、縦書きの封筒には縦書きで、「親展」と記載し、横書きの封筒には横書きで表記するということです。
そして、最も重要なのは、受取人に「親展」であることを明確に伝えることですね。
そのため、相手にとって分かりやすい方法で表記することが肝心です。
まとめ
親展の封筒は、受取人にのみ開示されるべき重要な情報を含む際に使用されます。
他人が無断で開封すると、礼儀を欠くだけでなく、信書開封罪に問われる可能性があります。
そのため、誤って開封した場合は、宛名の本人に事情を説明し謝罪することが重要です。
親展が用いられることはよくあるので、その意味と取り扱いについては正しく理解し、適切に対応しないといけません。
ぜひ、この記事で説明したことを知って、注意してくださればと思います。
